周囲は、住宅と田畑に囲まれたおおらかな環境にあります。若い夫婦2人と子どもたちのための住宅です。陽の当たる縁と、陰のできる座の2つの空間で構成しています。縁は、アメニティ空間であると同時に座のアメニティを支える空間でもあります。
2階の縁は、1間の幅をもたせます。ポリカーボネート板の屋根を架けて室内とすることにより、大きな空気層として機能します。冬は、陽だまりとなり、子ども達の遊び場になります。吹き抜け側の窓を開け、換気扇を廻すと暖かい空気が室内を循環します。
1階の縁は、室外とし、2階の縁が張り出すことにより、大きな軒の架かった空間となります。夏は、南北の掃きだしの扉を引き込むことにより、風が通ります。
構造は、木造在来軸組工法を基本とし、北西の壁面に耐震要素を配置しています。東南側は、鉄骨の柱・梁で構成し、部材断面を小さく抑えることにより、遮蔽物のない周辺環境との縁となる空間を実現しています。